<クレドール>月夜に舞う「桜吹雪」
突然ですが、クレドールをご存知でしょうか?
クレドールとはセイコーによる高級腕時計ラインです。
「CRÊTE D'OR」 とはフランス語で「黄金の頂き」を意味します。
グランドセイコーとの違いは何でしょうか?
グランドセイコーは高級な実用時計に力を注いでいます。
対するクレドールはセイコーが打ち出す宝飾時計ブランドです。
宝飾時計で世界的に有名なブランドは3つあります。
カルティエ,ブルガリ,ティファニーです。
宝飾品で名をはせたブランドですが、そのノウハウが宝飾時計作りにも存分に活かされています。
そしてどのブランドも極めて長い歴史を持ち、傑作と呼ばれる作品をたくさん世に残しています。
クレドールは1974年に誕生し、日本を代表する宝飾時計の傑作を作り続けています。
セイコー初のトゥールビヨンキャリバーモデル「FUGAKU」
2016年5月13日にクレドールとしてリリースされ、そのオリジナリティから世界に衝撃を与えました。
価格は5,000万円+税
写真では少し分かりにくいのですが、波の立体感が見事です。
立体彫金と漆芸の融合で日本を表現したことに感嘆です。
墨田区生まれの江戸後期の浮世絵師「葛飾北斎」。
北斎が描いた富嶽三十六景の神奈川沖浪裏がモチーフとなっています。
彼の作品はヨーロッパでも「ホクサイスケッチ」と呼ばれ、ゴッホやモネなどにも多大な影響を与えています。
独学で絵を学んだゴッホにとって、独創的な構図や表現はさぞかし新鮮だったのでしょう。
当時400点を超える浮世絵コレクションを所有していたそうです。
<クレドール> シグノ スプリングドライブ螺鈿限定モデル
「GCLP989」
100万円+税
120本限定で2018年3月9日(金)より発売されるそう。
「桜吹雪」をデザインモチーフにし、漆塗りダイヤルに螺鈿(らでん)細工を施し、実に美しい作品に仕上がっています。
まさに和みの極みですね。
1919年創業の山田平安堂とのコラボレーションモデルとなります。
螺鈿細工とは、螺は貝、鈿はちりばめることを意味します。
セイコー曰く、切り出した板状の貝片を漆で地板に接着し、上から漆を塗ったのち、貝片がみえるまで余分な漆を研ぎだす装飾技法だそう。
山田平安堂は宮内庁御用達のブランドですが「漆器を身近に、もっと楽しく」をテーマに、伝統的で武骨なイメージだった漆器に、現代的な解釈で新しい命を吹き込みました。
代官山本店やGINZA SIXのショップで、作品に直に触れればその深みと美しさに圧倒されます。
モダンでポップなものから伝統的な工芸品まで、実に幅広いラインナップが揃っています。
僕はよく外国の方へギフトとして購入しています。
出国前に立ち寄れる、成田空港第一ターミナルにあるショップが最強です。
漆器(しっき)は、木に漆(うるし)を塗り重ねて作る芸術です。
海外でも長い歴史を持つ日本の漆器は評価されていますが、一般の方が漆器に触れる機会は多くありません。
ギフトとして喜ばれるだけではなく、日本の工芸品や文化に興味を持つようになる方もいます。
純粋に嬉しいと感じる瞬間です。
突然ですが「漆」の英訳は何でしょうか?
lacquer?
正解です。
そして漆器は「lacquer ware」ですね。
でも実際よく使われるのは「japan」です。
江戸時代。
漆器はヨーロッパに輸出されていました。
王侯貴族から絶大な評価を受けていた「漆器」は、「japan」として世界中に浸透していきました。
なお「japan」には「漆」と「漆器」の二つの意味があります。
そして、漆を塗ると言いたい時などには動詞としても使えます。
日本での漆の利用は、縄文時代から始まっています。
もちろん世界最古です。
漆を塗れば長持ちすることを、当時の人達が知っていたことに驚愕です。
漆は世界に誇れる日本の文化です。
その伝統工芸が、現代の宝飾時計として海外に人の目に触れることに大きな意味があります。
海外で仕事する機会を活かして、手法は違えど僕もその一翼を担えれば光栄です。
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