腕時計が投資にならない本当の理由
腕時計投資は、投機だと前回のブログで書かせていただきました。
今回、その理由をもっと詳しくご説明します。
「腕時計を投資として考えてはいけません。安く仕入れて、高値で売ることは、一般的に、時計の世界ではうまくいかないのです。」
世界中で驚異的な支持を得ている、「A BLOG TO WATCH」(http://www.ablogtowatch.com/)の創設者である、アリエル・アダムス氏がこう語っています。
アダムス氏は、著名なサイト「MONEY]のEthan Wolff-Mann氏に、さらに詳細を語っています。
「大きな理由は、時計市場自体が、気まぐれで感情的な面を持っています。本質的に、市場がどこに向かうかを予測することは本当に難しいのです。」
アダムス氏も指摘していますが、腕時計の価値は、ポップカルチャーの影響も大きく作用します。
Source: rolexpassionreport.com
初期の「007」でジェームズ・ボンドが腕につけていた、ロレックスの「サブマリーナ」は、長きに渡り、サブマリーナの価値向上に寄与しています。
1997年のフジテレビ月9ドラマ「ラブジェネレーション」は、全11話の平均視聴率において30.8%を記録しました。
ドラマの中で、主演のキムタクが身につけていた、私物のロレックス「エクスプローラーⅠ」が爆発的なブームとなり、価格が高騰しただけでなく、入手も困難となりました。
Source: monochrome-watches.com
「Ref. 14270」は、現行の「エクスプローラーⅠ」よりも3mm小さいサイズの36mmです。
また、スポーツモデルでありながら、ブレスレットは非実用的なシングルロックなんです。今となっては非常に貴重ですね。
Source: Grand Seiko
36mmのサイズは、初代グランドセイコー(35mm)とほぼ同じサイズです。
共通して言えるのは、小ぶりで、主張しすぎないところでしょうか。
この初代グランドセイコーも、アンティーク市場で大分価格が高騰しましたが、今は落ち着いています。
これからも、テレビドラマや映画などがきっかけで、人気となるモデルは多く生まれるはずです。
次に何が流行るのか?
それを予測することはほぼ不可能です。
経済・金融情報の配信において、米国最大手の「ブルームバーグ」で、腕時計を専門に執筆しているスティーブン・プルビレント氏は、「簡単で安全な優良投資を探しているなら、投資信託に金を入れる」と語っています。
アメリカの投資家ウォーレン・バフェットはこう言っています。
「低コストのインデックスファンドは、投資家の大多数にとって、最も聡明な投資だ。」
確かに、インデックスファンドは、腕時計投資よりリスクが少なく、シンプル且つ低コストです。
歴史を紐解くと、ロレックスとパテックフィリップのみが、腕時計市場で高い再販価値を維持できる唯一のブランドです。
これは日本や欧米だけではなく、今や世界中で普遍的な認識です。
そして、この2強でも、人気モデルは明確になっています。
繰り返しになりますが、安く仕入れて高値で売ることを、コンスタントに続けていくことは極めて難しく、大変な時間と労力を費やします。
最低限の再販価値を維持しようとすれば、ジャガールクルト、ブレゲ、A.ランゲ&ゾーネなどは、選択から外れるでしょう。
奥の深い腕時計の世界を堪能したい方は、これらの歴史がある特徴的なブランドにも興味があるはずです。
腕時計は、自分が本当に好きなモノを買ったほうが心底楽しめます。
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